令和6年9月7日(土)、新入会員オリエンテーションに続いて暴力団等排除対策委員会による研修会が開催され、30名が参加しました。警視庁日野警察署の刑事組織犯罪対策課の方々が講師を務め、暴力団等に関連する最新の情勢や対策についての具体的な講義が行われました。
講義ではまず、昨今の暴力団等の動向が紹介され、特に新しい形態の組織運営やそれに伴う犯罪手法の変化が取り上げられました。かつては暴力や強圧的な手段に頼るケースが多かったものの、近年では合法的な企業活動を装った手口が増加していることが強調されました。
さらに、最近では「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」による犯罪が増加していることも説明されました。トクリュウは、SNSや求人サイトで集めた人々を実行役として犯罪を繰り返す新しいタイプの犯罪集団で、暴力団のような組織性を持たず、離合集散を繰り返すことが特徴です。トクリュウが関与する犯罪には、強盗・強盗殺人、特殊詐欺、SNS型投資詐欺、ロマンス詐欺、組織的窃盗などがあるようです。これには、暴力団やその関連者が関与するケースが多く、企業や個人に対して金銭や物品を強要する行為が典型的です。ビデオでは、こうした不当要求にどのように対応すべきかが解説され、具体的な対応策として冷静に対応し、法的手続きや警察に相談する重要性が強調されました。
ビデオの視聴後は、事前に会員から集めた質問に講師が回答する形式で進行し、日常業務での暴力団等への対応に関する具体的なアドバイスが提供されました。参加者は、現場で直面する可能性がある問題に対する実践的な知識を深めました。
講師の警察の方々は、「困ったら我々に相談してほしい」と繰り返し述べ、参加者に対して安心感を与えるよう努めてくれました。実際の業務で困難な状況に直面した場合、警察との連携が非常に重要であることが改めて強調されました。
また、東京都行政書士会が開催している「不当要求責任者講習」は、こうした不当要求に対する具体的な対応力を高めるために有効な研修です。より深い知識を身につけるためにも、ぜひ受講をお勧めします。
今回の研修を通じて、新入会員を含む参加者全員が暴力団等排除に向けた具体的な対策や知識を深め、今後の業務に役立てることができる有意義な時間となりました。地域社会の安全を守るため、今後も警察との緊密な連携を図りながら、取り組みを一層強化していく予定です。